マンションを新築で買ったけれど、理事になる時期が一番楽なのはいつだろうか。

・・・たまにある質問ですね(笑)。年数が経っていない内にさっさと理事になってしまえば、後が楽だと思う方もいらっしゃいます。では、いったいいつが楽なのでしょうか。各年ごとに見ていきましょう。

1年目:1年目の最初の理事は、重要です。専有部分のアフター点検を組合主導ですべきでしょう。マンションの内装については、各階ごとに同じ業者さんが作るのではなく、だんだん上に、同じ間取りの部屋は同じ仕事内容なので同じ業者さんが内装工事をしていきます。ということは、ある部屋でミスが見つかった場合には、同じ間取りの同じ部分にミスが生じている場合があります。専有部分ごとにチェックしていくと、気付かないお部屋もあります。そうすると、各お部屋の話であるにしてもマンション全体としてもマイナスになることなので、組合主導でやっていくことが望ましいのです。
また、1年目は、書類の引渡しも重要です。きちんと売主から図面や契約関係書類、メーカー表など全ての書類が引き渡されていないと、今後の管理に影響があります。管理委託契約の中身や実際の実施状況のチェックも重要です。

2年目:これも重要です。なぜなら、共用部分のアフター点検があるからです。組合さんが実際の現場を見て、瑕疵を探し出して指摘し、交渉となると売主は瑕疵ではないと言い張ることが多い状況が生まれます。普通の組合員さんは、バルコニーなどのチェックをしてもらうのですが、何が瑕疵で何が大丈夫なのかの判断がわかりません。専有部分の補修さえ終わってしまえば、あとは興味がなくなることもあります。専門家を雇って、交渉をスムーズにしていく選択も重要です。10年後の数千万円の工事代金の発生の有無が、2年目の役員さんの肩にかかっているのです。
3年目:たいてい、共用部分のアフター点検は、3年目に突入します。これの引継をしますので、非常に大変です。
4年目:あまり行事がないと思います。

5~8年目:早いところですと、鉄部の塗装を始める時期です。その他、特に考慮するところはありません。今後の管理レベルを下げないような工夫つくりを模索していく時期でもあります。
9年目~13年目:大規模修繕に関して、話し合いの機会がちらほら出てくるときです。だんだん忙しくなってきます。しかし、築年数が経ったから大規模修繕をしよう、というのは本末転倒で、建物が傷んだから大規模修繕をしよう、というのが本筋です。病院で手術をするときでも、必ず健康診断から精密検査、治療方法の選択、そして手術、という流れを踏むはずです。マンションにとっても、健康診断は管理会社の外観目視調査や設備の点検、精密検査は、有料の建物劣化診断、治療方法の選択は、大規模修繕工事の仕様の選択、業者の選定、そして手術には施工及び監理、という流れが当然です。この流れをきちんとしていくと、発案から完了まで約3年ほどかかります。
14年目以降:今までの管理内容によって、その後の業務が変わってきます。忙しくなったり、暇になったり・・・ですね。
結論としては、4年目から8年目が一番役員さんの負担が少ないような印象を受けます。もちろん、マンションによって事情が違うことはお忘れなく。

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